講師が解説! ニコン「Z fc」購入での注意点や価格など 【新発売】

ニコンが、新たなミラーレス一眼レフカメラZ fcを、2021年7月下旬に発売します。価格は、ボディのみ(レンズ無し)で118,000円(税込、Amazonの場合)

このカメラを見た瞬間、自分も「おおっ!」という感じでした。意外にもロングセラーとなった「Df」に続く、「いかにも、ニコン」なデザイン。特に長年ニコンを使い続けているユーザーには、オールドニコン的なこのデザインは、たまらない。おそらく、カメラの仕様などから主要ターゲットは「女子カメラ」のはずが、ニコン愛好家おじさま方がまず盛り上がっていたほど。手ごろな価格で予約も殺到しているとか。

ニコン歴20年以上、ニコンカレッジの現役講師で、これまでニコンの数多のカメラとレンズをテスト撮影してきた立場から、「Z fc」がどんなカメラか、どういう人向けなのかなど、スチール撮影向けに、いろいろ考察してみました。

【Contents】

1. ニコン「Z fc」はどんなカメラ?

まず、ニコン「Z fc」とは、どんなカメラなのか。

  • ミラーレス一眼レフカメラ
  • 「APS-C」センサー(DX) ※フルサイズではない
  • 有効画素数「2088万画素」
  • ISO感度「100-51200」
  • 高速連続撮影「約11コマ/秒」
  • 質量「約445g」
  • 記録メディア「SDカード」(シングルスロット)
  • モニター「バリアングル式」 ※Zシリーズ初
  • Wi-Fi・Bluetooth内蔵、タッチパネル、SnapBridge
  • バッテリー「EN-EL25」 ※Z50と同じ(他のZとは別)

 

ニコン「Zシリーズ」で、同じDXの「Z50」の仕様と比較すると、違いは、モニターがバリアングルかチルトか、Z fcのほうが50g軽いといった程度。Z50と、仕様に大差なし。SDカードが使えるのも◎

最大の違いは、カメラ(ボディ)のデザインと言っても過言じゃなく。カメラは決して安い買い物ではないだけに、デザインはとても大事。

あと、プロ向け、中~上級者向けかというと、違います。初心者向けです。ただ、ハイアマチュアやプロで、2~3台目(サブカメラ)で持つのはあり。なによりコンパクトで軽く、持ち運びしやすそう。

2. おすすめ撮影ジャンルは「スナップ」「旅行」

次に、どの撮影ジャンルに最適なのか。

これを一発でわかるページが、以下。どのカメラでも、サンプル画面を見ると、すぐわかります。

https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_fc/sample.html

スナップ撮影や街歩き、あと、旅行にも便利そう。つまり、「お散歩カメラ」「旅カメラ」に最適。

3. 購入前に知っておきたい「注意点」

「Z fc」を買う前に、ちょっと気を付けてほしいなと思った点をいくつか。

「Zレンズ」はまだ少ない、アダプターやや高額

ニコンの「Zシリーズ」では、「Zマウント」の「Zレンズ」を装着するのが基本。ただ、長年ニコンは一眼レフカメラで「Fマウント」のレンズが多くあり、今回の「Z fc」を含む「Zシリーズ」では、Fマウントのレンズは直接装着できません。

Fマウントのレンズを使用するには、「マウントアダプター FTZ」(希望小売価格 40,150円 税込)が必要。これ、そんな安くありません。

ただ、自分もこの「FTZ」は所有し、ZのカメラでFマウントのレンズもよく使っています。このアダプターはかなり優秀で、付ける際の面倒以外、操作性や画質などほぼ問題なし。

「Zマウント」のレンズは今後続々増える予定。Zのレンズをのんびりそろえたい予定の方、おすすめです。

ボディ内手振れ補正、センサークリーニングなどの機能なし

ニコン「Z fc」の「c」は「casual」、カジュアル。つまり、ビギナー向けでリーズナブルな価格。そのため、高級カメラに標準装備の「ボディ内手振れ補正」「センサークリーニング(防塵機能)」はなし。

これらの有無は、プロのようなカメラを使えば使うほど、あれば大変ありがたい機能。価格からして、ないのは致し方ないです。

「防塵防滴」仕様ではない

カメラ機材は「頑丈」なのに限ります。「防塵防滴」仕様だと(特にお仕事だと)安心感が違う。

ただ、「Z fc」は、「防塵防滴」仕様ではないです。これも、価格的には致し方ないところ。雨の時や湿気が多い場所、埃っぽいところの撮影が多い人はおすすめできません(空港もけっこう多い場合あり)

4. 「飛行機撮影」に使えるのか?

自分が「ニコンカレッジ」で担当する、飛行機撮影講座。では、「飛行機撮影で、Z fcはあり?ダメ?」について。

結論から述べると、「Z fcでも、飛行機は撮れます」です。この飛行機とは、旅客機のこと。戦闘機は厳しいです。その理由はあとで述べます。

ほぼ同型機の「Z50」で、飛行機撮影を行ったことがあります。十分、撮れました。「Z fc」でもほぼ同じ感じで、飛行機が撮れるはず(下は、Z50+DX 16-50mmで撮った画像)

ただ、「Z fc」で飛行機を撮影する際の「ネック」がいくつかあり。

  • Zマウントの望遠レンズが「DX 50-250mm f/4.5-6.3」しかない
  • 動体撮影のオートフォーカスは一眼レフがまだ上

先述の通り、「Zマウントのレンズラインナップはまだ少ない」です。望遠レンズもしかりで、一眼レフ用の「Fマウント」ほど揃っていません。とはいえ、250mm=35mm換算375mmですから、旅客機を撮影するならほぼ十分。少なくとも、羽田空港、伊丹空港、福岡空港、那覇空港、新千歳空港、セントレアなどの国内主要空港では、「Z fc」でほぼカバーできます。

ただ、夜の撮影は「f/4.5-6.3」では厳しい。Zマウントだと「70-200mm f2.8」(Z fcだと最大350mm相当)が最適。ただ、30万円ほどするのと、初心者向けのレンズではありません。

一方、戦闘機は厳しい理由は、焦点距離がそれ以上必要なのと、オートフォーカスの性能が一眼レフカメラに及ばないから。これは「Zシリーズ」というより、ミラーレスカメラ全体に言えます。野鳥も同様。

【まとめ】

ニコン「Z fc」を手に入れると、カメラで撮影する楽しみが増えるのは間違いありません。性能的には初心者モデルに近く、カメラにこだわりがある人ほど実際に使うと「物足りないな・・・」と思う部分も確かに出てくるでしょう。しかしながら、「軽くてコンパクト」「気軽に持ち歩ける」「荷物にならない」などは、カメラでさまざまな撮影を末永く楽しむ要素として、とても大事なこと。

正直、プロ機材は重くて修理代も高くていつも気を使い、気軽に持ち歩いたり、ラクに取り扱ったりできません。カメラ機材は高いからよいいうわけではなく、人によって撮影環境によって本当に「一長一短」です。

「Z fc」はしかも、デザインが良いし、すぐ飽きることのないデザインが最高。期間限定で、外観デザイン色のカスタマイズもできるので、予約・購入はお早めに!(予備バッテリーやSDカードなどの関連部品の同時購入もお忘れなく)

(参考)ニコンイメージングジャパン Nikon Z fc 概要



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