LCC「エアアジア」の違い 新型コロナや返金、今後どうなる?
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LCC「エアアジア・ジャパン」が破産手続きをし、事実上、会社が消滅しました。
その前から、新型コロナの影響で就航路線の運休が続き、日本からの撤退を発表。さらに、路線廃止と破産手続きといった流れである一方、エアアジアの便を予約していた方々からの「欠航した分のお金が戻ってこない」との声が、ネット上に多く挙がっています。
エアアジアの基礎知識から、新型コロナの影響での欠航、払い戻しなどの情報を、現時点でまとめました。
※2021年4月8日現在
【Contents】
- 1. エアアジアは”グループ会社”で窓口が違う
- 2. エアアジア・ジャパンは破産して返金困難
- 3. 大阪-ホノルル線は「エアアジアX」
- 4. コロナの影響で欠航、返金方法は?
- 【まとめ】 先行き不透明、チケット買うのは危険
1. エアアジアは”グループ会社”で窓口が違う
エアアジアは、マレーシアが拠点のLCC(格安航空会社)です。ただ、エアアジアには多くのグループ会社があり、経営も運航も別、拠点空港も違います。
以下、()は航空会社コードと拠点空港です。
【マレーシア】 エアアジア(AK、クアラルンプール国際空港) エアアジアX(D7、同上)【タイ】 タイ・エアアジア(FD、バンコク・ドンムアン空港) タイ・エアアジアX(XJ、同上)【インドネシア】 インドネシア・エアアジア(QZ、ジャカルタ・スカルノ・ハッタ国際空港) インドネシア・エアアジアX(XT、デンパサール・ングラ・ライ国際空港) 【フィリピン】 【インド】 |
最もわかりやすい違いは、コクピット下の「国旗」です。エアアジア・ジャパンでは日の丸でした。
あと、エアアジア「X」は、エアアジアの中でも中長距離路線を運航する会社です。
2. エアアジア・ジャパンは破産して返金困難
エアアジア・ジャパン(2代目)は2014年、中部国際空港(セントレア)を拠点に、運航を開始。国内線と国際線で発着便を運航したものの、2020年11月17日に自己破産を申請しました。
ANAが関わった初代エアアジア・ジャパンとは、まったくの別会社。
このエアアジア・ジャパン、2万人以上への返金がまだ行われていないとのこと。航空会社が経営破たんではなく自己破産する、しかも、援助する会社がなく消滅する場合、支払ったのに欠航して乗ってもいない分が、現金できちんと返金されるかというとかなり難しい、おそらく無理です。
まして、海外しかもLCC。マレーシアのエアアジア本体も現在かなりの資金難。エアアジア・ジャパンへの支援も打ち切っており、まったく期待はできません。
わずかな望みとしては、報道で出ていた楽天などの「株主に支援を求める」とのことですが、状況は不透明。また、エアアジアのグループ会社などで使える「クレジット」(ポイント)での返金はありえるかも。海外旅行が自由にできない現状、そのクレジットで戻されても、というのが日本在住者の本音でしょう。
エアアジア利用のツアーを旅行会社で購入していた場合は、話は別。旅行会社に問題がなければ、このコロナで旅行キャンセル、全額払い戻しされる可能性があります。
3. 大阪-ホノルル線は「エアアジアX」
今回の破産手続き開始は、あくまで「エアアジア・ジャパン」という会社の話。日本からマレーシア、タイ、バリ、そしてホノルルなどへの路線は、別のエアアジアのグループ会社が運航する便です。
返金の手続きは、それぞれの会社次第。その返金がスムーズに行われるか、それとも滞ってしまうかも、その会社次第です。
大阪-ホノルルを運航していた、エアアジアのハワイ便は「エアアジアX」です。現在は運休中で、運航再開のメドは立っていません(←もう運航する日が来ない気もする、正直)
現在、マレーシアのクアラルンプール高等裁判所に債務再編の申請書を提出中で、裁判所の認可が下りない限り、現金での払い戻しやクレジットアカウントの交換、旅程変更もできません。つまり、今はどう動いてもどうにもならない(2021年1月現在)
4. コロナの影響で欠航、返金方法は?
エアアジアに限らず、会社が存続する限り、返金申請は粘り強く、あの手この手で諦めず、ひたすら行うしかありません。現状、以下です。
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)によるリクエストに関してのご案内(エアアジア)
※2021年4月8日現在
- 「日程の変更」または「クレジットアカウント」での返還
- クレジットは、付与日から730日間有効(=2年有効)
- 日程の変更は、手数料無料。出発48時間前までに手続き
- チェットボット「AVA」で手続き
- 旅行代理店での予約は、当該の旅行代理店で手続き
- エクスペディアでの予約は、AVAで手続き
エアアジアの公式サイトを見ると、現金での返金について載っていません。現金で返金する気は一切ない(できない)と考えられます。
ただ、こういう事態でも、まずは「どうしても現金での返金を」と問い合わせること。ダメ元でも、少なくとも何度かは。
あと、ツイッターやYahoo!リアルタイム検索などで「エアアジア 返金」で調べると”生の声”が出てきます。周りに同じような境遇に方々がいなければ、ネットを駆使して状況を把握する、情報収集するのも、とても大事です。
クレカ払いだと、支払い停止できる可能性あり
もし、クレジットカードで、エアアジアの航空券を決済していて、分割払いやリボ払いなどで支払いが終わっていない場合。以下、ご参考まで。
- 割賦販売法における「支払停止の抗弁権」使えるかも
- クレジット会社への代金支払いを拒む、購入者の権利
- 事情が事情だけに、クレジット会社へぜひご相談を
- 「翌月一括払い」は対象外
- クレジット会社によって対応が違う
- 一般でもゴールドでも関係ない
今回のエアアジアを見ての教訓としては、支払いはクレジットカードで行う、が良いと実感します。
【まとめ】 先行き不透明、チケット買うのは危険
今も、エアアジアのチケット、販売しています。ただ、現金で、新規で買うのは、いくら安くても、絶対におすすめしません。
残念ながら。他のLCCだけでなく大手航空会社であっても、極論「その会社が大丈夫か」をきちんと調べたうえで、買うべき。
海外では、大手航空会社であっても、便の欠航が「コロナが理由」だと、現金で返金されなかった、自社のポイントでしか戻してくれなかった、搭乗便の変更しか受け付けてくれなかった・・・ということが実際に起こっています。
エアアジア・ジャパンは消滅しても、他のエアアジアはまだ残って、運航を続けています。ただ、それらも絶対残るかと聞かれると、100%だと言い切れません。しかも、信じがたいことにエアアジア、いまだにセール情報が流れてきたり、来年の連休分の航空券などを販売していたり。自己破産したのはエアアジア・ジャパンだけなので、関係ないと言えば関係ないのだけれど。
ひとくちに「エアアジア」といっても、本家エアアジアとそのグループ会社では、実は違う会社。その辺、飛行機を乗りこなしていないと、けっこうわかりづらいんじゃないかと思います。
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