北海道エアシステム(HAC)乗った! 予約と「ATR」フライト 【搭乗レポ】
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北海道は、広い。陸路で移動すると、とても時間(と労力)がかかる。例えば、札幌と、主要都市の函館との間でも、電車で3時間半、車で4時間。ちょっと隣の都市という感覚ではないのが、北海道。
その北海道でダントツに便利な移動手段が、飛行機。ANAと、JALグループの北海道エアシステム(HAC)が道内の路線を運航しています。
HACの予約から、実際に搭乗した時の様子など紹介します。
★HACの詳しい搭乗レポは「航空情報」(2021年10月号)の連載『空旅日記』に掲載しています。購入はコチラ→
【Contents】
1. 北海道エアシステム(HAC)の予約とタイミング
まず、北海道エアシステム(HAC)の航空券、どこで予約すればよいのか。
答えは「JAL公式サイト」です。JALグループ全社全便共通。JAL公式サイトで検索したらHACの路線も出てくるし、HACのほうの公式サイトから調べても結局、同じ予約画面が現れる。
そして、予約のタイミングは、基本的に「早ければ早いほど安い」ので、とにかく安く買いたいなら「ウルトラ先得」(55日前)がおすすめ。(ただし購入が早くて安い分、キャンセル料は高い。変更も基本不可)
その後、45日前、28日前、21日前・・・と、出発日が近づくにつれ、どんどん運賃が上がっていくおなじみのシステム。また、残席が少ない便も、残りの日数と関係なく運賃がどんどん高騰。なにより、丘珠発着の道内路線はHACしかない、つまり独占路線なので競合がいないから高い。地方路線あるある。
ちなみに、自分が買った、HACの函館→札幌(丘珠)は、スーパー先得28(28日前まで購入できる運賃)で、11,000円。27日前になると、17,000円に上がっていて、6,000円の差。これけっこう大きい。貯まるマイル数も一緒だし。
2. HACでおすすめの路線は?
HAC(通称、ハック)は、本州に住んでいると、なかなか乗る機会もお目にかかる機会すら稀な、ローカルは航空会社。特に、札幌では新千歳空港ではなく「札幌丘珠空港」のみの発着です。
札幌丘珠空港は、札幌中心部に近い場所に位置する小さな空港。本州から空路で北海道入りした場合ほぼもれなく新千歳空港なので、新千歳から丘珠までの空港間移動すら片道1時間以上はかかる。
(下の路線図は、HAC公式サイトから)
それでもHACに乗りたいなら、おすすめの路線は「函館=札幌(丘珠)」です。最も便数が多く、フライト時間50分と最も短い路線、しかも運賃が他の路線に比べると安い。
函館には、東京(羽田)や大阪(伊丹)からの便もあるので、函館空港内で乗り継ぎも便利。ちょっと乗継時間あれば、函館市内へバスやタクシーで行くこともできます。その他の路線は、観光だと「どうしても利尻島に行きたい!」という場合などは利用価値が高いかなという感じ。
3. 函館空港からHACに乗った!搭乗レポ
ここからは、HACに実際に乗った時のことを。
JL2754便、函館発札幌(丘珠)行き。この路線、1日何便もある中で、この便が最終便だったので、搭乗のかなり前からずっと「満席」という人気の便。座席数「48席」のプロペラ機なので、朝夕など便利な時間帯や週末などは、座席はすぐ埋まります。
函館空港は、いまだ搭乗案内がパタパタ(反転フラップ式案内表示機)健在。仙台も伊丹も青森もなくなったので、日本国内で残っているのはホント貴重です。いつまで残してくれるのか気になるところ。
函館空港には搭乗橋があるけれど、HACはプロペラ機なので(飛行機ファンにうれしい)徒歩での搭乗。機体の向こう側にグルっと回り込む感じの動線で、けっこう歩いた(でも苦にならない、楽しい)
ATR42-700は、日本の国内線では、先に導入したJAC(日本エアコミューター)や天草エアラインでおなじみ。機体後部から乗るのが特徴。
ATRの機内。2-2のシート配列。以前のSAABが1-2(36席)だったから、ちょっと大きめ。
プロペラ機だけど、あまり閉塞感がないのは、新しいATRだから。上の棚にスーツケース(リモワ)も入る、驚きの収納スペース。そして、機内もまだ新しいからきれい。
函館空港からの離陸。どうしてこっち向きなのかは、後ほど。
夕陽に照らされて、景色がとてもきれいだった。空のグラデーションの美しさ、さすが北の大地。
函館から丘珠までのフライトは約50分。低空飛行、というより、まるで北海道の遊覧飛行のようで、これは眼下に見えた「支笏湖」です。一度行ったことがあるからすぐわかった!
それにしても、空気がきれいで人が少ないと、空が本当にきれい(何度も言う)
50分のフライトでは、ドリンクのサービスはなし。水ぐらいなら、頼んだらもらえそう。その代わり、キャンディ(CA直筆メッセージ付き)が袋入りで配られました。さすが準備周到。
機内誌や機内版売も。機内販売は、キャンディ回って来た時に「降りる時に買います」と声をかけておきました。SAAB340Bの退役間近で記念グッズを見つけ、日ごろお世話になっている方へのお土産に購入。渡すととても喜んでもらえたので、買ってよかった!
今回座った座席は「1D」つまり、一番前の、2席だけ進行方向と逆を向いている窓側席。他のATR機にもこの席はあるけれど、基本的に満席の時しか座席指定できず(向かい側の人が気まずいから、とカウンターで聞いた)、一度やっと座席指定したら急きょ欠航という悲劇もあったので、念願のお見合い席でした。
目の前に座っていたのは、男性僧侶。そう、お坊さん!
難しそう、ややこしそうな人だと気まずいなとけっこう心配だったので、この安心感といったら。おかげでフライト中、とても平和でした。というより、お坊さんずっと静かにお休みなられていた(寝てた)けれど。
4. 札幌丘珠空港からの交通アクセスに注意
50分のフライト時間は、あっという間。快晴の中だったので揺れることもなく、出発も到着も定刻でした。丘珠空港は搭乗橋などないので、もれなく徒歩でターミナルに移動。
この時、丘珠空港に滞在する時間はほぼ皆無で、展望デッキにも行けなかったので、次リベンジ。レストランで北海道グルメが食べたかった。→ 札幌丘珠空港 公式サイト
気を付けたいのは、丘珠空港からの公共交通機関。主なアクセス方法は以下の通り。特に、リムジンバスは、発着便に合わせての運航なので要注意。
■ 空港リムジンバス 空港=札幌駅など(札幌駅まで500円)
■ 地下鉄栄町駅 空港から徒歩約20分
■ タクシー (札幌駅まで約2700円)
自分は、空港リムジンバスを利用。最終便だったので、これを逃すとタクシーになり、出費が痛いから。ちょっとトイレぐらいは、バスは待ってくれる(と、運転手さん曰く)
ただ、途中の「ANAクラウンプラザホテル札幌」前で降りたかったら、運転手さんに言わないとバスは止まってくれない・・・ということを知らず、結局、札幌駅まで乗ってしまうという失敗をやらかし。ホテルまでなんとか歩いて行ける距離だったからよかったけれど。
地下鉄の最寄り駅まで20分なら歩けるか、とも思いつつも、丘珠空港周辺でクマが出て大ニュースになった後だったので、安易に歩くのは躊躇し・・・道中はいちおう住宅地だけれど、それでもクマが出たわけで(しかも白昼に)
【まとめ】
HACは、観光・レジャーというより、北海道内を移動する生活路線。陸路より空路のほうが高額だけれど早いので、ビジネス利用もとても多い。そう、お坊さんとか。自分の搭乗便、6、7割はビジネス客で、あとは地元北海道の人たち。(若者は飛行機でなく、高速バスみたいです)
もちろん、北海道内を最短時間で観光、レジャーでも利用しやすいので、スケジュールが決まったら早めに予約すること。これに尽きる。サービス全体は、北海道色が随所にありつつも「JALグループ」なので安心。
例えば、東京(羽田)→札幌(新千歳)→【鉄道またはバスで札幌市内に移動】→札幌(丘珠)→函館→東京(羽田)、というルートが、一番安く乗れて便利かなと。
おまけ。函館空港で見かけた退役するSAABの紹介パネル。乗ることはできなかったけれど、函館空港で、退役前に離陸を見ること(撮ること)ができたのでよかった!